人材育成〜自ら考え、伝え合い、共に育つ〜

私は、少林寺拳法においても、仕事においても、コーチングやキャリアコンサルタントにおいても、一番大切なことは「その組織の中で、立場や年齢の上下に関係なく、良いことは良い! 悪いことは悪い!と言える自由闊達なカルチャー」だと言い続けています。

少林寺拳法の開祖【宗道臣先生】も『正しいことを正しいとハッキリ言える社会を作る必要がある!』『正直者がバカをみない世の中をつくる!』と喝破されました。

これこそが健全な組織運営や企業経営を行うための重要な基盤であると思うからです。

そして、これを実現・維持することは、言うは易し行うは難し、であると思っています。

そして、そのためには、まず一義的には、立場が上の道院長、道院幹部や企業のマネジメントこそが、メンバーそれぞれが意見を言いやすい雰囲気や提案をとりあげる姿勢・度量を示すことが一番重要であることは言うまでもありません。

聞く耳を持たなかったり、否定から入ったりするのがダメなのは当然として、自分の言動がメンバーの言動を委縮させていないか? 忖度させていないか? と自問自答することも大切だと思います。

自分からは極力話をせずに、できるだけメンバーに先に話してもらうといった配慮も必要です。

(修練の指導においては、なかなか難しいものですが・・・)

自分が思っているより、メンバーからは話しづらいと思われていたり、気を使われていたりすることもある、と思うくらいがちょうどよいのかもしれません。

道院長、道院幹部や企業のマネジメントの皆さんは、皆が反対意見を述べず、Yesばかり言うようになったら危ないと思いましょう。

そして、メンバーの皆さんも、臆せずに勇気をもって、まずは率直に意見を述べてください。

道院長、道院幹部、会社の上司といってもその組織の中での役職でしかありません。 道院長であっても、フラメンコを習いに行ったら、手とり足とりの指導を受けるでしょうし、会社の上司が少林寺拳法に入門したら敬語で教えを受けることになりますね。

また、道院長も家に帰れば、九段~十段レベルの奥さんに笑顔で従っていることでしょう。(みつりん先生と呼んでいるかも・・・)

私が入社した頃、先輩から「打ち合わせで何も言わないのは貢献していないということだから、何か感想や意見を言ってほしい。」と言われたことを覚えています。

また、少林寺拳法に入門した当時に、M先生からお前は手首も肘も肩もねば硬いから先生や先輩のやり方を鵜呑みにするのではなく、なぜ、この技で人が倒れるのか? どんな作用で体勢が崩れるのか? 何が一番のポイントで技が完成しているのか?【技は水だ】という観点から、ねば硬い相手にはどんな工夫が必要なのか? を真剣に考えろ!と教えられました。

特に新人門の頃は思いつきでも何でもまず感じたことを伝え、自分でメモを取って言語化することが大事です。

会議や打ち合わせにおいては、若手や新入門の意見というだけでも、世代間の多様性という観点で大いに価値があります。

他道院から転籍してきた拳士の中には修練や打ち合わせにおいて、道院長や自分より入門が古い人には、自分の意見を言ってはいけないと考えている拳士もいますが、横浜名瀬道院とSONY支部は自由で開かれた雰囲気です。

また、企業においては、他社から転職して来た方の中には、会議の場に自分より役職の上の人がいたら意見を言ってはいけないという会社もあると聞きますが、、、S社では、それはありませんでした。

もちろん、担当者やリーダーなど成長ステージに応じて、相応の“考え”も必要になってきますので、ダメ出しされたりフィードバックを受けたりすることもあるでしょう。

でも、そこで腐らず、素直に受け止めてレベルアップしてやるという気持ちと努力が大切です。

しかし、とにかく、忖度して相手(上司)の意向に合わせることを優先して意見するのではなく、

自分自身で良いと思うことを考えて考えて考えて、、、、

なぜそれが良いかという理由も考えて一緒に口にすることが大切だと思っています。

その対話を繰り返すことで、自分の思考も磨かれていきます・・・。

理想は、役職とか年齢とか関係なく、自分の意見をお互いに言い合えることです。

そのためには、たくさん会話したり、一緒に修練したり、仕事をしたり、一定の時間を過ごすことも必要かもしれません。

それらを通じてお互いの信頼関係があるのとないのとでは、言う方も言われる方も、ためらいや受け止め方が全然違いますね。

「外山さんはそうは言いますけど、そんなことできないですよ」と言う人もいるかしれませんが、、、

少なくとも私はそう思ってきましたし、実際にそうさせてもらってきたので、できると信じています。

そして、この良いカルチャーを次世代に残したいと思っています。

もちろん、特に道院長、道院幹部や会社の上司の意見と反対のことを述べる時は、TPOを見極めたり、言い方の礼節は尽くしたり、持って行き方の工夫は必要です。

企業のTOPの方々が、 「【異見(他の人の意見に対して異なる見解を持つこと)】を活かすリーダーシップ」 が重要と訴え続けられている通り、様々な意見をぶつけ合ってより良い意見に高めていく必要があります。

(Nidecやビッグモーター、損保ジャパン、、、)

S社の盛田昭夫さんは、私とあなたが全く同じ意見であるならば、この組織に二人が存在する意味がない。だから【異見】が大切なんと言われました。

次に、2026年9月7日の日経新聞に現ICU理事長・HBSフェローの記事が掲載されていました。

趣旨はちょっと違いますが、忖度は良くない、批判的思考を持て、ということです。

今回のテーマと合っていると思いますので紹介します。

はっきりいって、私が言うことも全部鵜呑みにしてもらう必要はないのです。

「ここは賛成だけど、ここは違う意見だよな。なぜなら、、、」と、それでいいんです。

それが当たり前だと思います。100%意見が一致することなんて、そうそうないですから。

もちろん、組織なので最後は組織としての意思決定がありますので、必ずしも自分の意見が採用されるとは限りません。

そこは理解してもらう必要があります。

でも、多くの人が意見を出し合って鍛えられ練り合された案の方が絶対に良いものができるのは間違いありません。

これこそが多様性の意義ですよね。

だからこそ、皆さんそれぞれが考えて意見を出すことが大切なのです。

これは道院長だけではできないことですので、皆さんの協力をよろしくお願いします!

卍 ただし、独裁的なTOPが君臨する小規模の組織では、組織のメンバーの大半が独裁者を見て、嫌われないように忖度に忖度を重ねて、組織が退化しています。 あなたの身近にそんな組織はありませんか???  卍

ニデック岸田社長「会計不正と品質問題、同じ風土から」 業績圧力原因 – 日本経済新聞日本型人材育成は忖度生む ICU理事長「正解ありきの教育は時代遅れ」 – 日本経済新聞